不動産投資で利益を得るための2つの仕組みとは？

不動産投資には、利益を得るための方法が2つあることをご存じでしょうか。
不動産投資でしっかりと収益を獲得するためには、この2つの方法について正しく理解しておくことが大切です。
そこで今回は、不動産投資をご検討中の方に向けて、収入の仕組みについてご紹介します。
インカムゲインとキャピタルゲインの概要やそれぞれのメリット、リスクを把握し、ぜひ今後のご参考にしてみてください。

不動産投資の利益の仕組み①インカムゲイン

不動産投資で利益を得るための1つ目の仕組みとしてインカムゲインが挙げられます。
どのような仕組みで利益が得られるのか、概要や特徴について見ていきましょう。

インカムゲインとは？

インカムゲインとは、簡単に言うと不動産を第三者に貸し出して得られる家賃収入のことです。
不動産を所有することによって発生する利益を指します。
不動産投資の収益の1つであるインカムゲインを得る仕組みは、次のとおりです。

●投資用の不動産を購入する
●不動産投資物件を第三者に貸し出す
●入居者から定期的に家賃を得る

不動産投資物件の購入に際しては、一般的に住宅ローンが利用されます。
このため、住宅ローンの完済までは家賃収入がローンの支払いに充てられることが一般的です。
住宅ローンが完済すると、家賃収入が収益として直接計上されます。
ただし、不動産投資物件を維持・管理するためには、固定資産税や保険料、管理費、修繕費などの負担が発生することを忘れてはなりません。
個人が不動産投資から得た収入は、不動産所得として他の給与所得などと一緒に課税されます。
この税金は個人の所得額に応じて異なり、税率は5%から45%までです。
ただし、この課税の対象となるのは、収益から先述の税金などの負担経費を差し引いた金額です。
また、1年間の不動産所得が20万円以下の場合は、課税対象になりません。

インカムゲインの特徴

不動産所有によるインカムゲインは、投資元本が減らないため比較的ローリスクであり、安定性が高い特徴があります。
1回の利益は少額ですが、入居者が決まれば長期にわたって継続的なリターンを得ることが可能です。
近年では、民泊もインカムゲインの収益源として注目されています。
民泊の場合、入居や宿泊期間は一般的なアパートやマンションよりも短い傾向がありますが、収益を得る仕組みは同様です。
ただし、入居と宿泊ではニーズが異なるため、民泊を考える際にはその違いを理解することが重要です。
このような特徴から、インカムゲインは資産運用を安定させたい方に適しています。

不動産投資の利益の仕組み②キャピタルゲイン

不動産投資で利益を得るための2つ目の仕組みは、キャピタルゲインです。
インカムゲインとはどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、キャピタルゲインの概要や特徴についてご紹介します。

キャピタルゲインとは？

キャピタルゲインとは、不動産の売却益のことです。
所有している不動産を売買し、購入価格との差異によって発生する利益を指します。
不動産投資の収益の1つであるキャピタルゲインを得る仕組みは、次のとおりです。

●投資用の不動産を購入する
●購入時よりも高値で売却する

キャピタルゲインを得るためには、不動産の資産価値が上昇しやすいエリアや物件を予測・調査することが重要です。
個人が不動産売却によって得た利益は、譲渡所得として扱われます。
譲渡所得には譲渡所得税がかかりますが、この税率は不動産の所有期間によって異なります。
所有期間は5年未満と5年以上で区分され、5年未満の短期所有では39.63%、5年以上の長期所有では20.315%の計算です。
つまり、短期所有で売却した場合にはより高い税率が課されることになります。
このため、キャピタルゲインを得る際には、収益率を最大化するためにも売却時期に十分な注意が必要です。

キャピタルゲインの特徴

不動産投資は、不動産そのものを動かして収益を得る仕組みであり、このためインカムゲインとは異なり、投資元本である不動産が手元からなくなることが特徴です。
その代わり、少額の収益を継続的に得るのではなく、上手に売却すれば短期間で大きな収益が見込めるでしょう。
ただし、立地や物件の状態などによっては売却時に損失が出る可能性もあるため、ハイリスクハイリターンの性質があります。
バブル期には市況が好調だったため、キャピタルゲインを狙う方が多かったですが、近年ではバブル当時と比較して資産価値が下落しているなどの影響で、インカムゲインへのシフトする動きも見られます。

不動産投資の利益の仕組み③メリットとリスク

ここまでお伝えしたインカムゲインとキャピタルゲインの仕組みには、どのようなメリットとリスクがあるのでしょうか。
それぞれのメリットとリスクを把握したうえで、両者のバランスを考えながら投資をおこなうことをおすすめします。

インカムゲインのメリットとリスク

不動産投資は長期的な利益を得る仕組みであり、本職以外にも収入源を持つ安心感が得られるメリットがあります。
一度に得られる金額は少額ですが、長期的に見れば大きな利益になり、失業やインフレ、収入減などのリスクに備えることができ、ゆとりをもって生活できます。
また、こうしたリスクが発生しない場合は、老後資産などのために貯蓄を増やすことが可能です。
区分所有（マンションやアパートを1部屋のみ所有すること）から始めることができ、1棟所有することで本業として取り組むこともできる魅力があります。
ただし、空室が発生した場合は利益が減少するため、注意が必要です。
そのため、購入時には空室が発生しにくい物件を選択することが重要です。

キャピタルゲインのメリットとリスク

キャピタルゲインのメリットは、インカムゲインと比較して短期間で大きな利益が得られることです。
しかし、人口減少や経済状況などのさまざまな要因により、不動産の資産価値が下がる場合もあり、その結果利益を得られないか、損失を被る可能性もあります。
このような場合には、損益通算を活用することができます。
損益通算とは、売却によって生じた損失分を給与所得と合算して課税対象額を減らす制度のことです。
損益通算を活用することで、支払う税金額を減らすことができます。

収益を得るには物件選びが大切

近年では、インカムゲインを目指して不動産投資をおこなう人が増えています。
空室リスクを減らすためには、複数の区分所有のマンションを持つ方法もあります。
一方で、キャピタルゲインも考慮し、両者をバランスよく追求することも可能です。
どちらの方法でも、物件選びが非常に重要です。
立地環境や建物の品質などをしっかりと検討して不動産投資に取り組むことをおすすめします。
世のなかにはさまざまな投資方法がありますが、不動産投資は1つの物件でインカムゲインとキャピタルゲインの両方を得る可能性がある方法です。
資産形成のための第一歩として、うまく活用してみるのも良いでしょう。

まとめ

インカムゲインとは家賃収入、キャピタルゲインとは不動産の売却益のことです。
それぞれの収入を得るための仕組みは異なり、特徴は正反対と言えます。
長期でコツコツ資産を増やしたい方はインカムゲイン、短期で大きな利益を得たい方はキャピタルゲインを狙うのがおすすめです。
ただし、近年ではバブル期に比べて不動産の資産価値が下落傾向のため、インカムゲインを狙う方が増えていることを覚えておきましょう。