賃貸オフィスの選び方とは?条件設定の仕方から契約の流れまでを解説!

賃貸オフィスの選び方とは?条件設定の仕方から契約の流れまでを解説!

初めて賃貸オフィスを契約する方も、現在のオフィスから移転する方も、「より良い物件を見つけたい」と考えているのではないでしょうか。
しかし事業をおこないながらの賃貸オフィス探しは煩雑になりやすく、要点を押さえずにおこなうと徒労に終わるかもしれません。
そこでこの記事では、賃貸オフィスをお探し中の方に向けて、賃貸オフィスの条件設定の仕方や、賃貸オフィスを選ぶうえでの注意点、契約の流れを解説します。

賃貸オフィスの選び方①条件

賃貸オフィスの選び方①条件

ご自身の暮らす賃貸物件を選ぶ際には、多くの方が希望条件を考えています。
まったく条件がなく、空いているからという理由だけで新居を選ぶと、引っ越したあとに多くの不満が生じてしまうことでしょう。
しかし「駅から徒歩5分以内、新築でサンルームがついていて、家賃は10万円以下」のように希望条件が多すぎると、条件を満たす物件はなかなか見つかりません。
そのため、希望条件をいくつか洗い出したうえで、どうしても譲れない条件と妥協できる条件にわけて優先順位をつけることとなります。
新居を探すときと同様に、賃貸オフィスを探す際にも、上手に条件を設定することが大切です。
ご自身の事業の内容や規模、顧客に与えたいイメージなどをもとに希望条件を設定し、優先順位をつけていきましょう。
賃貸オフィスの選び方として多くの方が重視するポイントは、次のとおりです。

予算

賃貸オフィスを選ぶ際には、賃料だけでなく、月々の共益費・駐車場代や、契約時の初期費用まで含めて考える必要があります。
賃貸オフィスは、居住用の賃貸物件と比べて初期費用が高額です。
保証金(敷金)は居住用の賃貸物件では家賃1か月分が相場ですが、賃貸オフィスでは賃料6か月分が相場となっています。
賃貸オフィスを借りる際には引っ越し代や備品の購入費などもかかるため、無理のない予算を設定しましょう。
基本的には、ネームバリューのあるエリアや駅から近いエリアにあるオフィスほど賃料が上がります。
その一方で、企業のイメージが向上する、近隣に企業が多く営業に回りやすい、顧客が来社しやすいといった点がメリットです。
予算を設定する際は、金銭面と企業戦略面の両面から、じっくりと考えることをおすすめします。

広さ

オフィスの広さの目安は「人数×2~3坪」です。
従業員が10名の場合は20~30坪、約66~99㎡の面積があると良いでしょう。
これは、一般的な受付や会議室、倉庫などを含めた面積です。
荷物が多い・設備が大きい・特殊な作業スペースが必要といったケースでは、事業に合わせた広さを独自に検討する必要があります。
増員を考えている場合は増員分の広さも確保するなど、将来まで考慮して選ぶことが大切です。

設備

予算にも関係しますが、設備が整っている物件ほど賃料が上がります。
しかし、事業に適した設備がついていない賃貸オフィスを選ぶと事業が滞り、かえって大きな負担が生じるでしょう。
電気容量やインターネット環境、セキュリティ、トイレ、駐車場など、必要な設備を事前に明確にしておくことがポイントです。

賃貸オフィスの選び方②注意点

賃貸オフィスの選び方②注意点

条件にピタリと合う魅力的な賃貸オフィスが見つかったとしても、すぐさま契約をするのはあまりおすすめしません。
賃貸オフィスを選ぶうえでの注意点を押さえ、より事業を進めやすい物件を選びましょう。
賃貸オフィスを選ぶ際の注意点は、次のとおりです。

内見をおこなう

事業で忙しく、時間の捻出が難しい方もいるのではないでしょうか。
しかし、実際にご自身の目で物件を確認できる内見は、賃貸オフィス選びの流れのなかでも重要な場面です。
オフィス内のチェックポイントとしては、窓や柱、コンセントの位置、実際の設備の状況などが挙げられます。
メジャーなどを持参し、それぞれの寸法を測っておくと、契約後に荷物を運び入れる際に便利です。
建物のチェックポイントには、管理状況や喫煙所の有無、オフィスビルの場合はほかのテナントの雰囲気などがあります。
エントランスが乱雑な雰囲気だったり、自社の雰囲気とそぐわない企業が入っていたりすると、自社のイメージが低下しかねません。
オフィスごとではなく、建物全体で電気容量が決められているケースもあるため、電気を多く使用する企業が同じ建物内にある場合は要注意です。
また建物内に喫煙所がある場合は、喫煙者の多い企業では重宝しますが、嫌煙者からは不満が生じるおそれがあります。
さらに、内見の際は建物だけでなく、周辺環境をチェックすることも重要です。
最寄りの公共交通機関からご自身の足でどのくらいかかるのか、駐車場を利用する場合は車の出し入れは容易かなど、交通の利便性を確認しましょう。

契約内容を隅々まで確認する

賃貸オフィスの契約の際は、初期費用や賃料、入居可能日など、入居時の条件に注意が向きがちです。
しかし、契約書には入居中や退去時のルール、違約金の有無や金額なども記載されています。
とくにトラブルが起こりやすいのは、契約解除の条件や、退去時の敷金返還の有無です。
先々の内容だとしてもしっかりと確認し、わからない点や不都合だと感じる点を洗い出しましょう。
一つひとつ質問をしたうえで、不明確な点が明確になるよう話し合うこともおすすめします。

賃貸オフィスの選び方③契約の流れ

賃貸オフィスの選び方③契約の流れ

内見をおこない、条件を満たした賃貸オフィスが見つかったら、いよいよ契約の手続きに進みます。
賃貸オフィスの契約の流れは、次のとおりです。

申し込み

申込書に必要事項を記入し、そのほかの書類と一緒に不動産会社に提出します。
申込書以外のおもな必要書類は、会社概要・登記事項証明書・決算書(貸借対照表・損益計算書・販売管理費明細など)です。
このほか、事業計画書や、個人事業主の場合は所得証明書を求められることもあります。
不動産会社や物件、事業の内容によって必要書類は異なるため、くわしくは不動産会社の担当者にご確認ください。
また申し込みの時点で、連帯保証人の情報を記入する必要があります。
依頼する方に事前に連絡し、承諾を得ておきましょう。

入居審査

申込書や必要書類の内容をもとに、管理会社や貸主によって入居審査がおこなわれます。
賃貸オフィスのような事業用物件は、居住用物件よりも審査が長くなることがほとんどです。
入居審査では、契約者の支払い能力の有無や、事業計画の妥当性などがチェックされます。
保証会社を利用する場合は、この段階で保証会社の審査もおこなわれます。

賃貸借契約の締結

入居審査通過後は、いよいよ賃貸借契約の締結です。
重要事項説明を受け、疑問点などがなければ契約を結びます。
この段階であらためて必要書類を提出しますが、個人で契約するのか、法人で契約するのかによって求められる書類が異なります。
個人で契約する場合は住民票・本人確認書類・実印・印鑑証明書・連帯保証人の印鑑証明書など、法人で契約する場合は法人の登記事項証明書・法人印(実印)・印鑑証明書・ 決算書の写し・連帯保証人の印鑑証明書などが必要です。
こちらも申込書の必要書類と同様にケースバイケースであるため、事前に確認することをおすすめします。
契約締結時の注意点は、事前に重要事項説明書や契約書を受け取り、契約締結日までに熟読しておくことです。
事前に読み込むと疑問点などにも気がつきやすく、当日しっかりと質問できるでしょう。
居抜き物件を契約する場合は、造作譲渡契約の締結も必要です。
契約を締結したら、初期費用を支払います。
居住用の賃貸物件ではあとは入居可能日を待つのみですが、賃貸オフィスでは内装工事や電気・通信工事などをおこなうケースも少なくありません。

まとめ

賃貸オフィスを選ぶ際は、事業に合った希望条件を設定し、優先順位をつけておくとスムーズです。
そのうえで、内見で建物の内外をよく確認し、契約書の隅々まで目を通すと、より事業に適した物件を見つけられるでしょう。
契約をする際は、連帯保証人を誰に依頼するか、個人・法人のどちらで契約するかを事前に検討する必要があります。