不動産買取とは？向いている方の特徴や注意点を解説

不動産売却の方法には、いくつかの種類があることをご存じでしょうか。
同じ不動産売却でも、種類によってメリット・デメリットや、向いている方の特徴は異なります。
不動産売却を成功させるためにも、売却方法の種類を確認し、ご自身に向いている方法を選択しましょう。
この記事では、不動産売却方法のひとつである「買取」とはなにか、向いている方の特徴や注意点を解説します。

不動産買取とは？

不動産の売却方法には、大きく分けて「仲介」と「買取」の2種類があります。
「不動産売却＝不動産会社が見つけた買主と契約を結ぶ」と考えている方は多いのではないでしょうか。
これは「仲介」であり、多くの方がイメージするように、ポピュラーな不動産売却方法です。
買取は仲介に比べるとポピュラーな売却方法だとはいえませんが、上手に利用すると大きなメリットが得られます。

不動産買取の概要と流れ

不動産買取とは、不動産会社が買主になる売却方法のことです。
一般の買主ではなく、不動産会社が売主と売買契約を締結します。
買取をおこなう際の流れは、次のとおりです。

●情報収集や必要書類の準備をする
●買取に対応している不動産会社に査定を依頼する
●不動産会社と売買契約を締結する
●決済のあと引き渡す

仲介と買取の大きな違いは、買主が不動産会社であるため、不動産会社による売却活動がないことです。
段取りを大幅に省略でき、査定から現金化まで数日で完了するケースもあります。

不動産買取の種類

不動産売却の方法は大きく分けて「仲介」と「買取」の2種類だとご紹介しましたが、「買取」はさらに「即時買取」と「買取保証」の2種類に分けられます。
即時買取とは、査定額に納得したあと、すぐに不動産会社と売買契約を締結する売却方法のことです。
現金化までのスピードが特徴であり、最短1週間、長くて1か月ほどで売買代金が手に入ります。
一方、買取保証は、最初は仲介で売り出し、一定期間が経過しても買主が見つからない場合に不動産会社が買い取る売却方法です。
のちほどご紹介しますが、買取の特徴のひとつに売買価格の安さがあります。
そのため、即時買取では相場よりも安い価格で不動産を手放すことになりますが、買取保証であれば、一般の買主に相場を下回らない価格で売却できる可能性があります。
たとえ買主が見つからない場合でも長々と売れ残るリスクがなく、不動産会社と取り決めた価格で手放すことが可能です。
即時買取よりも時間はかかりますが、買取保証でも半年程度で不動産を現金化できます。

不動産買取のメリットと向いている方の特徴

不動産買取は、多くの方がイメージする仲介での不動産売却とは異なる売却方法です。
メリットも仲介とは異なり、向いている方の特徴も異なります。

不動産買取のメリット

買取では一般の買主を見つける必要がないため、売却活動をおこまいません。
そのため、スピーディーに不動産を現金化できる点がメリットです。
売却活動をおこなわないことは、内覧をする手間が省ける、引き渡しまで近隣の方に売却の事実が広まりにくいといったメリットにもつながります。
また、仲介では買主が見つからない不動産でも買取なら手放しやすい点も、買取を選択するメリットのひとつです。
不動産会社は不動産のプロであり、一般の買主からは避けられてしまうような不動産を活用するノウハウを持っています。
さらに、不動産会社が不動産のプロであることを理由に、売主の責任が軽くなる点も買取のメリットです。
一般の買主に不動産を売却する場合、契約時に伝えていない不具合が引き渡し後に見つかると、売主が修繕などの対応をしなくてはなりません。
これを「契約不適合責任」と呼びますが、買取では買主が不動産のプロであるため、多くのケースで契約不適合責任が免責となります。

メリットから見る不動産買取に向いている方の特徴

上記のメリットを踏まえた、不動産買取に向いている方の特徴は次のとおりです。
すぐに現金が必要な方
急にまとまった資金が必要となった方には、仲介よりも買取が向いています。
仲介にかかる期間の平均は、3か月～6か月程度です。
即時買取では最短数日で現金化が可能であり、即時買取よりも早く仲介で買主を見つけることは難しいでしょう。
「1か月後にはお金がほしい」という要望も、即時買取なら実現可能です。
売却のタイムリミットがある方
上記ほど切羽詰まったケースではないものの、転勤や離婚などで売却のタイムリミットがある方も、買取に向いています。
たとえば、「半年後から新生活が始まるため、5か月後には引き渡しまで終えたい」といったケースでは、買取保証がおすすめです。
4か月経っても売却できない場合は買取を利用する、といった取り決めをしておくと、万が一買主が現れなくても、期日までに不動産を手放せます。
条件の悪い不動産を売却したい方
築年数が古い不動産や、トラブルを抱えている不動産など、一般の買主から避けられやすい不動産を売却したい方も、買取が向いているといえます。
もちろん買取はすべての不動産に対応しているわけではなく、条件によっては断られてしまうかもしれません。
しかし、前述のとおり不動産会社には不動産を活用するノウハウがあるため、仲介よりも売却の確率が上がります。
また、築年数の古い不動産を売却する場合、契約不適合責任が大きなリスクとなりますが、買取なら安心して手放せるでしょう。

不動産買取を利用するときの注意点

ご自身が買取に向いている方の特徴を満たしているのであれば、買取での売却をおすすめします。
スムーズかつ良い条件で買取をおこなうために、以下の注意点を押さえてみてください。

売買価格を確認する

前述のとおり、買取は仲介よりも売買価格が安く、相場の60％～80％が目安です。
不動産会社は、買い取った不動産にリフォームなどをおこなったあと再販します。
そのため、相場からリフォーム費用などを差し引いた金額が売買価格となるのです。
たとえば、仲介なら3,000万円で売れる不動産でも、買取では1,800万円～2,400万円で手放すことになります。
急に資金が必要となったケースでは、買取の売買価格でも必要な金額をまかなえるのか、しっかりと確認しましょう。

買取条件の希望を伝える

売却時期や売買価格など、買取条件の希望を不動産会社に明確に伝えることも、注意点のひとつです。
とくに売却のタイムリミットがある方は、事前にその時期を伝えるようにしてください。
伝えられた条件をもとに、不動産会社の担当者がスムーズな買取がおこなえる方法や段取りを提案します。
またご自身で買取の希望条件を整理したうえで、即時買取が向いているのか、買取保証が向いているのかを判断することも大切です。

住宅ローンを完済する必要がある

買取に限った話ではありませんが、売却するにあたっては住宅ローンを完済しなくてはなりません。
ただし、自己資金や売買代金で住宅ローンを完済できるのであれば、買取可能です。
住宅ローンが残っている不動産の買取を希望する場合は、自己資金の額と査定額、住宅ローン残高を照らし合わせて、完済できるかどうかを確認しましょう。

まとめ

不動産買取とは、不動産会社が買主になる売却方法のことです。
買取には、すぐに買取をおこなう「即時買取」と、仲介で売り出したあとに買取に切り替える「買取保証」の2種類があります。
買取が向いているのは不動産をすぐに現金化したい方や古い不動産を売却したい方ですが、買取は売買価格が安くなるため、しっかりと価格を把握することが大切です。