スケルトン物件とは?店舗物件としての特徴やメリット・デメリットを解説

スケルトン物件とは?店舗物件としての特徴やメリット・デメリットを解説

お店として利用できる賃貸物件には主に2種類ありますが、その1つがスケルトン物件です。
しかし、スケルトン物件とは具体的にどのような特徴を持つ物件なのか、どんな場合に借りるべきなのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、スケルトン物件とは一体どのような店舗物件で、どのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。

スケルトン物件の店舗とは?

スケルトン物件の店舗とは?

スケルトン物件とは、一体どのような特徴を持つ物件なのでしょうか?
そもそもスケルトンとは、どのような意味を指しているのでしょう?
まずは、スケルトン物件の概要と特徴を解説したうえで、居抜き物件との違いについても確認しておきましょう。

内装がないコンクリート打ちっぱなしの物件

スケルトン物件とは、内装や設備が一切施されていない状態の物件です。
スケルトンとは不動産用語で、建物の構造躯体(骨組み)を意味しています。
スケルトン状態の物件はコンクリートの壁や床がむき出しになっており、天井も配管や骨組みが露出しているケースが多く、入居者が一から内装や設備を整える必要があります。
その分だけ費用や時間がかかりますが、自分好みの店舗を作り上げられる点が魅力です。
スケルトン物件の場合、内装が存在しないスケルトン状態が基本となります。
退去時にはスケルトン状態に戻さなければならないケースが多いので、注意してください。

スケルトン物件と居抜き物件は何が違う?

スケルトン物件と似た言葉に、居抜き物件があります。
両者はともに、店舗利用可能な賃貸物件(店舗物件)の一種です。
スケルトンが内装・設備が一切存在しない骨組みだけの物件を表しているのに対し、居抜き物件は以前の店で使われていた内装や外装、設備などがそのまま残っている状態で貸し出される物件を指します。
そのため居抜き物件を借りる場合は、以前の店が同じ業種であれば必要な設備が一通り揃っており、最低限の費用で開店できるため、オープンまでの時間や費用を節約したい場合に有効です。
また居抜き物件のなかには、内装の一部だけが残った状態のものも見受けられ、半スケルトン物件や、一部居抜き物件などと呼ばれています。
このような物件も便宜上、居抜き物件の一種として扱われていますので、探す際は注意してください。

スケルトン物件で店舗を開くメリット

スケルトン物件で店舗を開くメリット

骨組みしか存在しないスケルトン状態の物件は、居抜き物件と比べてデメリットが大きいように感じられてしまうかもしれません。
しかし、骨組みしかないからこそ、居抜き物件にはない魅力や強み、メリットもたくさんあります。
ここからは、スケルトン状態の物件で店を開業する際の代表的なメリットを、3つご紹介します。

理想の店舗を作りやすい

骨組みしかないからこそ、理想の店舗を作りやすい点は、スケルトン物件のもっとも大きなメリットといえるでしょう。
居抜き物件の場合、内装や設備が残されているほか、配管や配線もそのままになっているため、店舗のレイアウトにある程度の制約を受けてしまいます。
一方で、内装や設備が一切存在しないスケルトン状態の物件の場合、店のレイアウトを1から考えることが可能です。
手間がかかると解釈すればデメリットではありますが、既存の内装や設備による制約を受けない点はメリットだといえるでしょう。
オリジナリティを追求し、周辺の競合店との差別化を図りたい経営者にとって、スケルトン状態の物件が持つ自由度の高さは、居抜き物件では得られない大きな魅力に感じられるでしょう。

導入設備を自由に決められる

スケルトン物件で店舗開業をするもう一つの大きなメリットは、導入する設備を自由に選べる点です。
内装や設備が一切存在しないスケルトン状態だからこそ、店のコンセプトやイメージに合わせた設備導入が可能となります。
最新の設備を導入して、店の機能性やデザイン性を高めたり、設備の管理やメンテナンス効率を高めたりも可能です。
設備によっては作業効率の向上や、光熱費など維持費の節約効果も期待できるでしょう。
店舗のレイアウトやデザインも含めて、店舗の個性を最大限に引き出したい場合には有効な選択肢となります。

前の店舗のイメージから一変させやすい

以前の店から内外装を引き継ぐ居抜き物件の場合、どうしても前の店が持っていたイメージが残ってしまいがちです。
それが良いイメージなら知名度向上などの効果も期待できますが、万が一悪いイメージが強かった場合、開業後の集客にネガティブな影響を受けてしまう可能性があります。
その点スケルトン状態の物件であれば、以前の店のイメージを払拭するのも決して難しくはありません。
独自のブランドイメージを店舗内外に反映させれば、周囲の競合店との差別化にもつながります。
アイデア次第では、顧客に新鮮で強力な印象を与えるのも不可能ではないでしょう。

スケルトン物件で店舗を開くデメリット

スケルトン物件で店舗を開くデメリット

スケルトン物件が持つ自由度は大きな魅力ですが、必ずしもメリットになるとは限りません。
物件をより有効的に活用するためにも、デメリットについてもしっかり把握しておきましょう。
ここからは、スケルトン状態の物件で店を開く際の、代表的な3つのデメリットを解説します。

内装・設備に費用がかかる

スケルトン物件で店を開く際のデメリットとして決して無視できないのが、内装や設備を整えるのに大きな費用が必要になってしまう点です。
店をゼロから作り上げられるのがスケルトンの大きな魅力ではありますが、基本的にはこだわればこだわるほど、開業費用の負担が大きくなってしまいます。
内装や外装の工事だけでなく、水回りや電気など、インフラ関係の工事も必要になるほか、設備や備品、装飾品なども揃えなければなりません。
とくに高額な設備が必要になる業種の場合、初期投資額が大きくなりがちです。
予算に余裕がない場合は妥協を迫られる可能性もあるので、注意してください。

開店までに時間がかかる

スケルトン物件は内装や設備がまったく整っていない状態でのスタートとなるため、開店までの準備期間が長くなってしまいがちです。
具体的な期間は工事内容などにもよりますが、開店までに3か月程度かかるケースもあります。
工事期間中も賃料や光熱費など運営コストがかかるため、開業前の出費が増えてしまう点にも注意が必要です。
早期に開業したい場合や資金に余裕がない場合は、これらのデメリットが大きな負担となってしまうかもしれません。

退去時には原状回復しなければならない

退去時には原状回復工事が必要になる点も、スケルトン物件のデメリットの1つです。
基本的にスケルトン状態だった物件から退去する際は、スケルトン状態に戻したうえで返却する必要があります。
そのため退去するにあたり、原状回復するためにまとまった費用が必要になるので、注意してください。
とくに、開店に際して内外装に大きく手をくわえている場合は、撤去・解体の費用が高額になってしまう可能性があります。
なお具体的な原状回復の内容は、契約時の取り決めによって変化します。
場合によってはスケルトン状態以外での返却が求められるケースもあるので、必ず賃貸借契約書の記載内容を確認したうえで、どのような状態に戻せば良いのかを判断してください。

まとめ

スケルトン物件とは、内装や設備が一切施されていない、骨組みだけの店舗物件です。
骨組みしかないからこそ理想の店舗を作りやすく、導入設備を自由に決められるため、以前の店のイメージを一変させやすいメリットがあります。
一方で、内装や設備を整えるのに費用や時間がかかる点や、退去する際はスケルトン状態に戻す必要がある点がデメリットです。